道島塾長の”VIVA! 80's” -vol.3-

道島です。今週は来日公演も控え、再発の紙ジャケの『ナイトフライ』をリリースしたばかりのドナルド・フェイゲンを取り上げます。このアルバムが発売になったのは1982年。私のエイティーズ・メモリーが定かなら、当時テレビ朝日の土曜の深夜番組、ミッドナイトin六本木のオープニング・テーマとして「I.G.Y.」が流れていて、群馬の中学生だった私にとっては、“手の届かない東京、手の届かない大人の世界”の象徴のようなアルバムでした。

ちなみに、このアルバムをしっかり聴いたのはワーナーに入社してからでした。


このアルバムは当時、全米アルバム・チャートの11位まで上昇して、アメリカでは100万枚以上売れたプラチナ・ディスクに認定されています。


今回の再発の紙ジャケ作品の担当は私の師匠、宮治さんです。リマスター/SHM-CDで音が素晴らしいのはもちろんですが、ドナルド・フェイゲンの楽曲解説の和訳が収録されているのがファンとしてはうれしいです。また、バック・ミュージシャンのクレジットを見ながら、お聴きいただくと喜びもまた格別です。今やすっかり私も大人どころか、中年になりましたので、堪能できます。


80年代、フェイゲンはあまり活動していませんが、93年になると11年ぶりの新作『KAMAKIRIAD』をリリースします。このとき私はワーナーに入社していて、洋楽部の宣伝課にいたのですが、当時の石津課長以下スタッフ一押しで頑張りました。シングル「トゥモロウ・ガールズ」もラジオでかかりまくりました。この曲を聴くと、入社したころを思い出します。


そして、『モーフ・ザ・キャット』をはさんで、ワーナーの最後のアルバムが『サンケン・コンドズ』だったのですが、幸運なことに私は担当することができました。さらに幸運なことに、アルバムをリリースしたばかりで、The Dukes of September名義で来日公演を行ったため、取材の際にミスター・フェイゲンにお会いすることも出来ました。

いろいろなところで今は言っているようですが「もうレコードは売れないから、ライヴをやるんだ」という言葉に当時私は大変驚いたのを覚えています。

そしてソロ・アルバムの取材だったので、私は「ソロとしてライヴはやらないんですか」とお聞きしたところ、「ライヴをやるなら、スティーリー・ダンとしてかな。お客さんがその方が入るからね」と言っていたことも印象に残っています。

それを考えると、今回ソロとして、若手ミュージシャンによるバンド、ザ・ナイトフライヤーズを携えての来日公演は貴重です。ソロの曲も聴けるわけですから。

あまり書くとネタばれになるので軽く触れますが、先行して行っているアメリカ公演ではソロの曲もやりながら、メインはスティーリー・ダンの曲となっているようです。とすると、ミスター・フェイゲンの発言もうなずけるというところでしょうか。来日公演は以下の通り。横浜はフェスのヘッドライナーとして。さらに、大阪、名古屋の2都市で単独公演を行うことも発表されました。


「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017」

2017/9/23(土)、24(日)

横浜赤レンガ倉庫特設会場

<大阪> 2017/9/20(水) フェスティバルホール

<名古屋> 2017/9/22(金) センチュリーホール

http://bluenotejazzfestival.jp/


また、9月13日には、ワーナー時代のすべてのソロ・アルバム4枚とアルバム未収録曲を集めた1枚をコンパイルしたCD5枚組、『チープ・クリスマス:ドナルド・フェイゲン・コンプリート』が発売になります。こちらは初CD化となります。

Warner Music Life

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