道島塾長の”VIVA! 80's” -vol.9- / トム・ペティ

道島です。今週は訃報を受けまして、キング・オブ・アメリカン・ロック、トム・ペティを取り上げたいと思います。

チャート上でのトップテン・シングルは1979年に10位を記録した「ドント・ドゥ・ミー・ライク・ザット」と1989年に7位を記録した「フリー・フォーリン」の2曲のみですが、MCA時代のシングルは多くの曲がヒットしており、数多くのアルバムが80年代を中心にプラチナ・ディスクやゴールド・ディスクとなっています。アメリカではブルース・スプリングスティーンに並ぶほどの人気と言ってもよいと思います。


トム・ペティは94年に、ワーナー・ブラザーズ・レコードに移籍し、ソロ名義のアルバム『ワイルド・フラワーズ』を発表しました。プロデュースはリック・ルービンです。当時の担当は私の先輩、井本さんがされておりました。

私は当時ラジオのプロモーション・マンで、私がトム・ペティの音楽と真剣に向き合うようになったのは、この『ワイルド・フラワーズ』からです。トムのライヴを見ることはできませんでしたが、アルバムからの1stシングル「ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ」はトムのライヴでは定番で、大変盛り上がるナンバーのようです。その他にも哀愁漂うナンバーが、このアルバムには多数入っていて、私はまず1枚ということであれば、このアルバムをおすすめしたいです。

アルバムのサウンドもリック・ルービンのプロデュースのせいか、本当に素晴らしいです。当時私は、お恥ずかしながら、赤のオープンカーに乗っていて、このアルバムをずっとカーステレオでかけていました。トムの音楽はとてもカーステレオとの相性がよいのです。おそらく彼の音楽はアメリカのラジオでかかりまくり、そして車でたくさんの人が聴いて、ヒットしていたのではないでしょうか。


2002年発表のトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ名義の『ザ・ラスト・DJ』も大変思い出深い一枚です。

このタイトル曲は私が彼の曲の中で、一番好きな曲なのですが、会社の枠に縛られない、一匹狼のラジオDJのストーリーが描かれています。

この曲に私は彼を投影してしまうのです。もう1曲、「ジョー」というレコード会社のCEOを主人公にした、音楽業界を皮肉った曲があって、“奴は有名になって、俺は金持ちになる”という歌詞が強烈です。


最後に、一枚担当したアルバムで、2010年発売の『モジョ』があります。

このアルバムも思い入れがあるのですが、アルバム最後の「グッド・イナフ」というブルージーなナンバーが最高です。トムが66歳という年齢で、天に召されてしまったのは非常に残念ですが、彼が残してくれた素晴らしい音楽は、これからも永遠に聴き続けられていくことでしょう。


Spotifyのプレイリストで、ここで紹介した曲はお聴きいただけます。

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