レイラ&ダニー・ハサウェイ 「ディス・クリスマス」デュエット版、 新たなミュージック・ビデオがYouTube公開に
ダニー・ハサウェイと、グラミー賞受賞歴を誇るアーティストの愛娘、レイラが、現代のホリデー・ソングの定番曲をヴァーチャル・デュエット。奇跡のミュージック・ビデオが到着!
グラミー賞受賞歴を誇るレイラ・ハサウェイが、今は亡き彼女の父であるダニー・ハサウェイと、彼のホリデー・ソングの定番「ディス・クリスマス」をデュエットした、新たなミュージック・ビデオを公開した。レイラはアニメーションで蘇った父とパフォーマンスを披露しており、この奇跡のようなビデオが現在YouTubeで公開されている。
この新たなデュエット版「ディス・クリスマス」は、新しく録音したレイラのヴォーカルと、1970年の未発表デモ音源に収録されていた今回が初出となるダニーのヴォーカルを使用し、両者の歌声が一体となって織りなされた素晴らしい一曲だ。未発表デモのダニーのヴォーカルは、オリジナル版よりもリラックスしたテンポとトーンを聞かせてくれており、さらにこのデモ音源では、オリジナルで聴きなじみのあるエレクトリック・ピアノではなく、アコースティック・ピアノを演奏している。このデュエット・ヴァージョンでは、バースとハーモニーを交わしながらレイラは父と共に歌い、この感動的な現代のホリデー・ソングの名曲で、二人の歌声は完璧な調和を奏でている。
「これまでの中で、最も素晴らしい経験だった。まさに夢が叶ったわ」とレイラは語る。「父のように、聴いている人にできる限りの喜びを伝えられれば本望よ。これからの半世紀、そしてさらに続く未来のためにね!」
12月8日現地時間、米国で放送中のテレビのトークショー「Sherri」にレイラが出演し、このデュエットで初のテレビでのパフォーマンスを飾る。さらに番組では、司会のシェリー・シェパードと楽曲についてのトークも予定している。
ダニーが「ディス・クリスマス」のオリジナル版を1970年にリリースした際に、黒人アーティストの作曲とパフォーマンスによる初のブラック・クリスマス・キャロルとして、楽曲が多くの人に受け入れてもらえることを、ダニーは願っていた。それには多少の時間を要したが、楽曲は、今や当時のダニーの夢を遥かにしのぐ成功を収めている。
現在、「ディス・クリスマス」は、毎年ホリデー・シーズンに様々なところ耳にする定番クリスマス・ソングのトップ30に位置付けている。
「ディス・クリスマス」が、アフリカ系アメリカ人の文化を代表する定番のホリデー・ソングとなった経緯には、面白い背景がある。元となった曲は1967年に遡り、当時シカゴで楽曲制作をしながら郵便局員を務めていたナディーン・マッキナーが、歴史的な大吹雪の中、歌詞とメロディを書き上げたもの。それから3年後、彼女の友人がちょうどダニーの自宅とオフィスの飾り付けをしていた時、彼はふと、ナディーンの曲をダニーに聴かせるべきだ、と思いついたという。そして、ナディーンがダニーのために自分の曲を歌うと、彼の頭の中では「ディス・クリスマス」の力強いポテンシャルを即座に感じ取ったのだ。
1970年の秋ごろに、ダニーは「ディス・クリスマス」を作曲/アレンジし、地域のトップ・ミュージシャン達を引き連れスタジオ入りをし、レコーディングをした。そのメンバーの中には、曲中で弦楽器を担当した、シカゴ交響楽団のメンバー面々も含まれていた。
そしてその時の12月初旬、「ディス・クリスマス」はアルバム収録のないシングルとしてアトコ・レコードからリリースされた。楽曲はビルボードのクリスマス・シングルー・チャートで最高11位を記録したが、目を見張るようなブレイクはそれから20年以上も経過してからのことだった。その成功を導く大きなきっかけとなったのは1991年の出来事であった。その年、「ディス・クリスマス」がアトコから1968年に発売されたコンピレーション・アルバム『Soul Christmas』の再発盤に収録され、それ以降、ダイナミックなホーン、抑揚のあるストリングス、そしてダニーの優しくソウルフルなヴォーカルが織りなす心弾ませる楽曲が、世界中のオーディエンスの心を掴んだのだ。
その誕生から50年以上も経過し、「ディス・クリスマス」は、デスティニーズ・チャイルド、アッシャー、メアリー・J.ブライジ、レディA、さらに最近では、ペンタトニックス、ピンク・スウェッツ、ジェス・グリンに至るまで、多種多様なアーティストによってカバーされている。
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