ロジャー・トラウトマン【F's GARDEN -Handle With Care- Vol.2】

今月からスタートしました「F's GARDEN -Handle With Care-」 

前回のDAILY HOWLさんからブログリレーのバトンを受け取り担当致しますDJ GONと申します。 

自分がこよなく愛するブラック・ミュージックを中心に、 影響されたサウンドやムーヴメントを掘り起こして、思いのままに紹介していきます! 



<F's GARDEN -Handle With Care- 第二回:DJ GON>


「24K Magic」はオマージュなのか!? 
トーク・ボックスのパイオニアRoger、永遠に 


つい先日、来日していたBruno Marsのライヴに行ってきました。

大盛況でした。満席でしたし、チケットも争奪戦だったみたいです。

いわゆる黒人音楽をベースにしたジャンルでは商業的に現在最も成功しているアーティストと言っていいんじゃないですかね。

彼のライヴを見て思ったのは、衣装こそ西海岸のギャングスタみたいな恰好でしたが(失礼!)サウンドは80年代~90年代のクラシックソウルを彷彿させるものでした。

アレンジもずいぶん凝っていましたが、基本的に懐かしさを感じましたね。

40~60歳がストライクだったのではないでしょうか。40代の私はバッチリでした!

そのライヴの中でも1番の盛り上がりを見せていたのが、グラミー賞で最優秀レコード賞を受賞した ”24K Magic”だったと思う。 


Bruno Mars ”24K Magic”


まぁ、大ヒット曲ですから、今更どうのこうの言うことはありませんね。

この曲冒頭のトーク・ボックス、やはりこれを聞くと思い出すのが、Roger Troutman。 

Bruno Marsは彼の影響を大きく受けたのではないかと、ライヴを観て改めて思いました。


Roger Troutman(ロジャー・トラウトマン)

知らない方のために少し紹介しますと、 Rogerという名義で活動していたオハイオ州出身の黒人アーティスト。1番の特徴は力強いファンクをベースとしながらも、 トーク・ボックス(機械的な特殊な声に変わる装置)や シンセを大胆に使用したクールなサウンドにあります。 


トーク・ボックスは、Daft Punkのイメージが強いかもしれませんが、ここは声を大にして、彼が世に知らしめたと言い切りたい!

もちろんStevie Wonderなども使用していたのは有名ですが、やはりRogerがパイオニア。 

”24K Magic”はまさにRogerへのオマージュだったと勝手に受け止めています。 


そんなRogerのアルバムの代表作と言えばこちら。



「Unlimited!」Roger


アルバム”Unlimited!”に収録されている“I Want To Be Your Man”は 本当に大好きな1曲で、CDの表面が磨り減るんじゃないか?(んな訳ない!)と思うくらい何度も何度も聴き込んだ作品です。 

リリースされた当時は、ビルボードのR&BチャートでもNo.1を記録し、 彼の中でも最大のヒット曲となりました。 

キャッチーでありながらソウルフル。

普通のポップスとしても聴ける珠玉の作品です。 


Rogerはソロとして活動する以前は、「Zapp」というバンドに在籍していました。



「Zapp」Zapp


多少のメンバーチェンジはあったものの、リーダー格であるRoger Troutmanを筆頭に、実の兄弟であるLester Troutman、Terry Troutman、Larry Troutmanを加えた10名程度の編成です。

そのバンドZappのデビュー作がこのアルバム。 

ジャケット写真と邦題はなんともですが、出来は最高です(笑) 

Rogerのソロの頃と聞き比べると、Zappの方がよりファンク色の強い仕上がりになっているのがわかると思います。 

1曲目に収録されている”More Bounce To The Ounce”は ヒップホップがメインストリームになり始めた頃、こぞってサンプリングで使われました。 

Bruno Marsの“Uptown Funk”もこの曲に影響を受けたと言われています。


また「Be Aright」もオススメしたいです。 

メロウグルーヴにファンクなベースとドラムが絡むRogerのセンスがバッチリ表現された名曲です。

2Pacがサンプリグしてヒットを飛ばしたので、聴いたことがある人も多いと思います。 


合計で6曲しか収録されていないアルバム”Zapp”ですが、ぜひ一枚持っておきたいアイテムです。


他にもZappには名曲が沢山揃っています。 

メロウグルーヴで聴かせる “Computer Love” 

ギターが超イカす “Do It Roger”” 

Marvin Gayeのカバー ” I Heard It Through The Grapevine” 

挙げればキリがありませんが、全てハズレなし。 

どれを聴いても損することはないでしょう。 


なお、Zappの頃とRogerのソロ作品をまとめた集大成、 「All The Greatest Hits」というベスト・アルバムがリリースされています。 


今日までZapp、Rogerを知らなかったという方は、 とりあえずはこちらから聞いてみてはいかがでしょうか…。 

そして、もし私のようにハマったなら、アルバムを1枚1枚じっくり聞いてみて下さい。  



“All The Greatest Hits” Zapp & Roger


このRoger Troutmanですが、1999年4月25日、実の兄であり、ZappのメンバーでもあるLarry Troutmanに射殺されてしまいます。 

しかも、のちにLarryも自殺するという実に哀しい出来事で、まさにRogerが影響を受けたMarvin Gayeと同じ運命をたどることとなりました。

(Marvin Gayeは牧師である実の父親に頭を銃で撃たれ死去しています) 


まもなく彼の命日を迎えます。

彼の残した偉大な足跡を辿って、改めてアルバムを聞き直した。 


最後に、彼の最大のヒット曲”I Want To Be Your Man”を聴いてこのブログを終りにしたいと思います。 

敬愛するRogerに合掌。 


“I Want To Be Your Man” Roger



DJ GON 

趣味でゆるーくDJをやっております。ジャンルはR&B、ソウル、ファンク、ディスコ、ハウス、あとちょっとEDMも。 

最近はDJもデジタル化の波が押し寄せていますが、たまにはレコードのグルーヴもいいものですよ。 


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