ピアノ&ア・マイクロフォン 1983発売記念、リレー・インタビュー
第一回はプリンスに何度も対面したことがあるという、プリンス研究家のTUNA氏のインタビュー記事をお届けする。
■■■Tunaさんはペイズリー・パークでプリンスにも会って、会話までしたことがあるそうですが、簡単にそのあたりの経緯をお教えいただけますか?
TUNAさん:まず、最初にPrince:A Celebrationについて説明させてください。
2000年、2001年、2002年の6月に約1週間ペイズリーパークにて毎日昼間は館内見学や試聴会、各種イベントがあり、夜中は日替わりで様々なアーティストのライヴがあり、そのあとや最終日にプリンスのライヴがあるパーティにフル参加しました。これだけ充実した内容にも関わらず通しチケットで確か$200ぐらいだったと思います(全日全行程参加したのは日本人では2人だけだったかもしれません)。初回開催前にはプリンスに名前が戻ったことを祝うためともアナウンスされていました。
きっかけは忘れもしない3回目に参加した2002年6月21日のペイズリーパークでのライブにて起こったことです。その年の3月よりアメリカでスタートしていたOne Nite Alone...Tourの最中ですから、すでにセットリストやライヴの特徴などはインターネットで知っていました。しかし、自分が当事者となると事情は全く異なります。
**パスはPrince:A Celebrationの左2002年、真ん中2001年、右2000年のパスとなります。
ある曲になると最前列で観ていた女性にプリンスが質問をしました。
「ギヴかレシーヴか?」と。
このやり取りもすでに3か月やってきているので彼女は当然「ギヴ」と答えます。
すると、「それでは後ろに居る人に場所を譲ってあげろ」と言ってプリンスが4~5列後ろに居る人を指さします。
「U! U! Come On!」と言って指をさした先にいたのは……そう、私を指名して前に来るように手招きしていたのです。
驚きと興奮と緊張している複雑な気持ちで最前列まで歩いていくと、プリンスは今度は私に質問しました。
「リーダーになりたいかフォロワーになりたいか?」と。
「フォ、フォロワー」と答えると、プリンスは「フォロー・ミー」と言って私の手を握ってステージにあげてくれました。
このやり取りも今まで通りなのに完全に飛んでしまっています。
緊張して固まっているとプリンスは「英語が喋れるか」とか「お前は俺の友達だ」と言ってくれて嬉しいんだけれども、なおさら緊張したことを覚えています。
だって中学生の頃からファンですし、まさか同じステージに立てるなんて思っていませんから。ましてや声をかけてくれるなんて信じられませんからね。
そのあとプリンスは少し演奏しましたがいままでツアーの流れとは異なり急に曲を止めてまた私を呼び寄せます。「名前は?」と訊かれると私は(本名である)「Tsuna」と一言声を発するのが精一杯です。すると、プリンスは「Tuna?」と言い換えて、「あのCharlie the Tunaか?」とからかいます。
(注:StarKistのツナ缶のキャラクター http://starkist.com/)
更に、「ファンキーに踊らないと缶詰にするぞ!」と言ってバンドメンバーに合図を出します。彼らの演奏にあわせてスポットライトも照らされて一人で踊らされます。そのときプリンスはライトが照らされていない暗い中で観客に「Go Tuna! Go Tuna!」とコール&レスポンスしてどんどん煽ります。こっちは数千人の視線を感じながら、でも見渡したり、楽しむ余裕もなく踊っていました。ただ、ペイズリー・パークの壁のライティングが綺麗だったことだけは印象に残っています。
この話には、後日談があって、その年の11月にプリンスの来日公演があったのですが、初日の国際フォーラムでの本番前のサウンドチェック時に開口一番、「Tunaはどこにいる?」とマイクを通して、プリンスは聞いてきました。最前列にいた私は驚きつつ手をあげるよりも早く周りにいた友人たちが、私を指さしてくれました。すると、「お前のために来たぞ!」とニヤリとしながら言われたことがとても嬉しくて感動しました。
その後も海外にライヴを観に行くと覚えていてくれて、握手をしに近寄ってくれたりいつも愛と感謝を実感していました。
■■■プリンスのソロ・ピアノ・ショウはご覧になったあことはありますか?
プリンスのピアノ・ソロ・アルバムとして、公式に発売されたものは2002年の「One Nite Alone」だけでしようか?
TUNAさん:2016年のツアーに行かなかったことを非常に後悔しています。1月のペイズリー・パークは事前にアナウンスされていたので予定をつけられたのに、寒いと思って躊躇して、2月のオーストラリアも3月のカナダも行こうとしたのですが行きたい都市で開催されたらと思って待っていたので観ていないのです。
ピアノ・ソロ・アルバムは『One Nite Alone...』だけだと思います。ちなみに、これは公式には発売されなかったのです。プリンスのファンクラブNPG Music Club(年会費$100)に入会していたメンバーに特典として郵送されたものだったのです。そのため、店頭では見かけた記憶はありません。
■■■映画パープル・レインの影響か、プリンスはギタリストのイメージが強いのですが、エンジニアだったスーザン・ロジャースも、彼は両方上手だったけど、メインの楽器はピアノだったんじゃないかと言ってますが、どう思われますか?
TUNAさん:そうですね、彼が最初に手にした楽器がピアノとも言われていますからね。彼のピアノでの表現力はアルバムだけでなくライヴで魅せてくれていると思います。普通に聴いていた楽曲をピアノでアレンジして披露してくれると違った聴こえ方がして多面的で非常に豊かな側面を魅せてくれるし新たな発見もあると思います。ちなみに、彼はギターとピアノだけでなくドラムもベースなど他の楽器も上手だと思いますよ!
Tunaさんがプリンスのピアノの名曲のプレイリストを作ってくれたので、お聴きになってみてください。
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