グラハム・ナッシュ『オーヴァー・ザ・イヤーズ』のキー・トラックは?

現在ヨーロッパ・ツアーの真っただ中のグラハム・ナッシュ。最新作はベスト・アルバムとデモ・アルバムの2枚組となる『オーヴァー・ザ・イヤーズ』です。

このアルバムのDisc1もDisc2も同じ曲で始まります。その曲とは「マラケシュ行急行」です。


アルバムのライナーノーツには以下のように書かれています。

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「マラケシュ行急行」の2つのヴァージョンの起源を突き詰めると、『オーヴァー・ザ・イヤーズ』の本質そのものにたどり着く。伝説によれば、1967年にホリーズの遅い夏休みでモロッコにいたナッシュは、カサブランカからの列車の中で“マラケシュ行急行”を作ったのだという。息の詰まるような一等車の客室を出て、三等客車の素晴らしい混乱を目の当たりにした彼はこう書き残している。「ジャラバやターバン姿の人々で満員だった。アヒルや鶏やヤギが走り回って、小さなコンロで料理をしている人達がいて、車両中が煙たくてかすんでいた。ヘビ使いまでいた。とにかくすごい見物だったよ!」””その光景――そしてナッシュが作り上げた曲、ナッシュにとって強い思い入れのあった曲、「マラケシュ行急行」をホリーズに却下されると、彼は周知のとおりロンドンのパラディウムでの年末コンサートの後でバンドを捨て去り、自らの人生の次の章を書くべくロサンゼルスへ直行したのだった。

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つまり、アメリカに活動の拠点を移して、クロスビー、スティルス・ナッシュとして活動するそのきっかけが「マラケシュ行急行」だったのです。

『オーヴァー・ザ・イヤーズ』のDisc1もDisc2も同じ曲で始まるのには、意味があるのです。

Photo Credit: Amy Grantham


アルバムを聴く:


【グラハム・ナッシュ アーティストページ】

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