ロッド・スチュワート【F's GARDEN -Handle With Care- Vol.12】
「SOULBROTHER NO.2」さんから2週目のバトンを受け継いだ「T-KAWA」です。
愛の籠ったアレサ・フランクリン追悼文章でした。
私の方は、前回のマドンナに続き、晩年に入ってもますます元気な別のスーパースターを取り上げさせていただきます。
あえてライヴ盤でスーパースターの音源を検証してみる
ロッド・スチュワート
あえてライヴ盤でスーパースターの音源を検証してみる
ロッド・スチュワート
「Live 1976-1998:Tonight's The Night / ライヴ・ベスト1976~98」
ALBUMCD
2014.04.02 発売¥3,700+税/WPCR-15593/6
個人的にライヴ盤が大好きで、比較的ライヴ盤収集に凝っています。
でもきっかけはライヴ盤ではなくて、NHKのテレビ番組「ヤングミュージックショー」で、フリートウッド・マック(77/12/5武道館)、ロッド・スチュワート(76/12/24ロンドン・オリンピア)を青春時期に観て感動して、それを録音したテープを擦り切れるほど聴いて楽しんだ経験から来ているのですが…。
一般的に「ライヴ盤はあまり欲しくない」という方が多い気がします。実際に、同じアーティストの音源作品でも、スタジオ録音盤に比べて、ライヴ録音盤は売り上げがかなり落ちると思います。曲間の歓声が嫌だ…という理由が多いからでしょうか。
いきなり余談ですが、ライヴ盤が大ヒットする要因は二つある気がしていまして、一つは元々ライヴの実力と人気が凄くて大評判なアーティスト…ローリング・ストーンズはもちろんですが、このコーナーでもSOULBROTHER NO.2さんが取り上げてくれていましたが、ジェイムス・ブラウンやダニー・ハザウェイなんかもそうかもしれません。
もう一つはブレイクしたアーティストが居たとして、そのアーティストが未だベスト盤をリリースしていなくて、ベスト盤の前にベスト選曲のライヴ盤を出した時…でしょうか。
ブルース・スプリングスティーンがLP5枚組で放って、初登場全米1位を獲得した「THE "LIVE" 1975-1985」は最たる例かと思います。
例えば、今ならブルーノ・マーズがベスト選曲のライヴ盤を出せば、それはライヴ盤だとしても大ヒット間違いないと思います。スタジオ録音のベスト盤が先に出てしまうと、ライヴ盤のヒットは難しくなる気がしています。
さて、本題に戻りますと、ロッドは近年、ビッグアーティストのカヴァーアルバムブームの火付け役となった『ザ・グレート・アメリカン・ソングブック』 で晩年期のブレイクを成し遂げて、元気な姿を見せてくれていますが、誰もが認める全盛期は、やはり『アトランティック・クロッシング』 (1975)、『ナイト・オン・ザ・タウン』 (1976)、『明日へのキック・オフ』 (1977)、『スーパースターはブロンドがお好き』(1978)の4作でしょう(フェイセズ時期が好きな方ももちろんいるかと思いますが…)。先の理論(ってほどのことでも無いですが)で言えば、この時期にベスト選曲のライヴ盤を出してくれていれば大ヒット間違い無しのライヴ盤だったと思いますが、残念ながら、映像作品は幾つかありましたが、公式音源のライヴ盤は『アブソルートリー・ライヴ』(1982)まで待たされる事となり、時すでに遅しと申しますか、バッキングメンバーも最重要なドラムのカーマイン・アピスが抜けた状態でのライヴ盤となり、魅力は大きくダウンしてしまっていました。とても残念な思いがその件に関して続いていましたが、時が流れ、CDが余り売れなくなった功罪?で、アーカイブが積極的に商品化される時代となり、一番聴きたかった時代のライヴ盤を聴けたりする事が近年多くなりました。
ロッドも地味に発売されたまま今に至っていますが、あの全盛期のライヴ盤がオフィシャルでリリースされています。
それが、今回紹介させていただく『Live 1976-1998:Tonight's The Night / ライヴ・ベスト1976~98』です。
もっとも、全盛期以降の長いキャリアをまとめてCD4枚組という大ヴォリュームで聴けてしまうのですが、価格はなんと!3,700円+税です。高いですか?個人的には涙が出るほど嬉しかったです。
特に76年から81年までのライヴトラックがたっぷり聴けるDISC1&2だけでも高い価値があると思います。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったロッドの伸びやかな歌声と、バリバリのロッドバンドの演奏25曲が楽しめます。このライヴ盤のお楽しみは、他にもあります。スタジオ盤収録曲もありますが、未収録のカヴァーもたくさん収められています。晩年期のカヴァー集に結集されましたが、ロッドは昔からカヴァーは積極的な方で、このヒストリーライヴ盤にもそれは収められています。
この盤のワーナーの公式ページにも示されていますが、
「スウィート・リトル・ロックンローラー」(チャック・ベリー)
「エンジェル」(ジミ・ヘンドリックス)
「ゲット・バック」(ビートルズ)
「ジス・オールド・ハート・オブ・マイン」(アイズレー・ブラザーズ)
「ドック・オブ・ザ・ベイ」(オーティス・レディング)
「ハングリー・ハート」(ブルース・スプリングスティーン)
「リーズン・トゥ・ビリーヴ」(ティム・ハーディン)
「ピープル・ゲット・レディ」(カーティス・メイフィールド&ジ・インプレッションズ)
「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」(ヴァン・モリソン)
「トゥイスティン・ザ・ナイト・アウェイ」(サム・クック)
「チェイン・ギャング」(サム・クック)
「シガレッツ・アンド・アルコール」(オアシス)
「ロックス」(プライマル・スクリーム)
と言ったところです。
曲中に「いとしのレイラ」のコーラスフレーズをフィーチャーしているテイクもありますが、とりあえずこの13曲だけでカヴァーライヴ盤として出したとしても2千円くらいの価値がある気がします。
22年間に渡る音源を、基本的には時系列に沿って、音質も極めて違和感を最小限に食い留めるミックス~マスタリングが施されていて、ブックレットの豊富なデータ含め、さすがは公式メジャー作品という、非常に丁寧な仕上げを施してくれています。
もう一度言います(しつこい?)。
このCD4枚組58曲で¥3,700+税は高いですか?安いでしょ〜〜っ!
ぜひまだお持ちでない方、ご購入を検討頂ければ幸いです。
以上で、今回の音楽業界ブログリレー「F's GARDEN -Handle With Care-」を終わりとさせていただきます。次回をお楽しみに…
T-Kawa
音楽が好きすぎて、逆にノンジャンルな趣味性のオヤジです。
2万枚のCDに囲まれてる自宅より、ここでは誰もが知ってるメジャーアーティストの名盤を抽出して、“あ、そんなのあったあった”と想い出していただけるようなご紹介をして行きます~。
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