『グリーンブック』って映画、最高過ぎる!【F's GARDEN -Handle With Care- 号外】
音楽映画として、
クリスマス映画として、
人間らしさを教えてくれる真実の物語として
新しいスタンダード映画『グリーンブック』!
ああダメだ、
こんなキャッチコメントなんてどうでもいい
とにかく皆様、観てください!
余韻が醒めない。全然、醒めない。
映画『グリーンブック』を観た。
本当に一言、“最高”だった。
何から話そう。
まだ思い出すと興奮してしまってお伝えする順番なんかも、
もうちょっとわからなくてぐちゃぐちゃで申し訳ないが、
とにかくトニーとドクターの出会い、旅、魂の交流!
なんとか説明を試みてみよう、ふーーっ。ん~と、ん~と、
トニーって言うのがヴィゴ・モーテンセン演じる極めてがさつなおっさん。
ドクターって言うのがマハーシャラ・アリ演じる黒人天才ピアニスト。
要はこの2人のストーリー。引き込まれる、とにかく引き込まれる。
さっきからとにかくばっかり言ってますが、とにかくまずトニーがカッコイイ!
すっっ…っっげー~~~、ロックなやつなんです、コイツ。
タバコとジャンクフード、粗野で横暴、ハッタリと機転の良さに加え、
フザけたやつはブン殴ってこれまでの人生を切り開いてきたタイプの男。
一方、ドクター・シャーリー(ドン・シャーリーとも呼ばれる)
は黒人なんだけどカーネギーホールに住むほどの超絶実力派ピアニスト。
教養も深く、立ち振る舞いも言葉遣いも常に上品。私服はアーティスティック。
お金はあるけれど天才が故の孤独感が彼にはずっと付きまとっている。
一見、絶対に交じり合うことのないこの2人の人生が交じりあっていく様がコミカルで本当に面白い。
そうだ、これ実話を元に作られてます、それがまた凄い。1962年の話です。
ドクター・シャーリーは腕の立つ用心棒兼運転手としてトニーを雇い、 当時まだ差別が色濃く残っていたディープ・サウス、アメリカ南部にツアーに出ようと計画。
なんで黒人差別がある地域にわざわざ黒人ピアニストがツアーに出ようとするのか?
それはラストの方で分かってくるのでここではあえて触れないが
まあ~この旅が素晴らしいんだ本当に。2つの感情、2つの魂の旅。
車に乗って移動している時間が多いから時にロードムービー風でもある。
車中で油ベッタベタなフライドチキンを食べるところなんか映画史に残る屈指の名シーン。
全く違う環境で生きてきた2人のカルチャーがぶつかり合って主張しあって重なり合って助け合って
そんな魂の交流が笑えるし、でもやっぱりジワっと泣けるんだよなぁ。
中でも土砂降りの日、お互いの感情がバーストする場面は本当に人間的な感情に溢れている。
『メリーに首ったけ』のピーター・ファレリー監督だから 最後までテンポがよくて一気に観れてしまったし、 胸糞悪くなるような差別がところどころに影を落としてくるんだけど、
重苦しいテーマの映画にはなってはいない手腕が流石!
あちこち感動するし、全体的にコメディタッチで本当に笑える。
お互いがお互いに影響を与え、
意識が変わっていく
ビジネススマイルは別として最初全然笑わないんだよね、ドクター・シャーリー。
気難しくて常に独りの世界で思いを巡らせていて。
でもそこを徐々に突き崩していくトニーの持ち前の乱暴な優しさが染みること染みること。
まるで必要だから出会った2人なのかと思ってしまう。人生とは時に不思議ですね。
そんで音楽映画として秀逸です!
あげく音楽がまたコレずっと素晴らしいんですよ。
ドクター・シャーリーはジャズ・ピアニストなんだけど、
幼少時からクラシックを習っていたのでクラシカルなピアノ演奏が光るシーンもあるし、
逆に上流階級とは程遠い環境で育ったトニーが車のラジオから流れる様々な音楽を
「おまえアレサ・フランクリンも知らねえのかよ!」
と、ドクターに次々と教えていくシーンなんか爆笑。
ジャズだけではなく、リズムにあふれた音楽満載のスゴイ音楽映画という切り口もあります。
トニーが初めてドクター・シャーリーのライヴを目の当たりにした時の表情もいいし、
この時のドクターの演奏も良い。
旅の中盤、トニーが自分の言葉でドクターのピアノを評して
ドクターがほとんど言わない「ありがとう」の言葉をもらうシーンも素敵。
観終わった後、サウンドトラック買っちゃう人がいっぱいいるだろうなあ。
名言、名台詞の嵐
南部ツアーは最終公演に向かい、
そのあとでトニーはニューヨークでの自分の家族のクリスマス・パーティに向かう。
旅の道中は名言の宝庫。
「俺はあんたより黒人だ」ってトニーがドクターに言い放つところや
「さみしいときは自分から先に手を打たなきゃ」ってトニーがドクターを諭すところ。
トニーの嫁さんが「手紙をありがとう」って言うラストとか台詞回しが要所要所でウィットに富んでいる。
あ~、ほんと観た人達と早く感想を語り合いたいッ!!
間違いなく映画史に残る事実をベースにしたヒューマンドラマです。
沢山の人が観てくれるようにこのコラムから念を送るのでどうか一緒に旅してください。
そして
ツアーの本当の目的だけは
自分の目で確かめてみてください
DAILY HOWL
ただのジョン・レノン好き
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