タワー・オブ・パワー【F's GARDEN -Handle With Care- Vol.38】 by DJ GON
先般の台風により被害を受けられた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。音楽で少しでも癒しがありますよう今日は書くことにします。
これから涼しくなる季節。夏場はアッパーなサウンドをチョイスしたくなりますが、秋~冬はファンクっぽいのを無性に聴きたくなる私です。今日はそんな自分の想いに素直になり、ステキなファンクミュージックを紹介したいと思います。
意外と親日家? 50年以上のキャリアを誇る大所帯バンド
タワー・オブ・パワー 【Tower of Power】
ブラックを通っている人ならよく知っていると思うのですが、ポップ&ロック路線の方は馴染みが薄いかも。。今回はタワー・オブ・パワーというバンドを紹介します。
キャリアのスタートは50年以上前の1968年、アメリカ・カリフォルニアで結成された白人・黒人混成のファンクバンド。ボーカルが黒人ソウルシンガーだけあって、ブラックの要素を全面に押し出しています。
それだけでソウルと言い切ってしまえないのですが、ミックスチャー感覚を持ったバンドと言えると思います。
テナーサックスのエミリオ・カスティーヨを中心に、バリトンサックスのスティーヴ・クプカ、トランペットのグレッグ・アダムスなどの管楽器メンバーがメインで結成されました。やはり重厚なホーンセクションが最大の特徴で、音圧はCDで聴いても厚みがわかる凄さです。
親日家と敢えて書きましたが、実は自分が勝手に思っているだけです。ただ、彼らは日本とは縁が深いのです。
1975年にかまやつひろしがリリースした「我が良き友よ」。フォーク全盛期に大ヒットした吉田拓郎の名曲ですが、このB面に「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」という隠れた名曲があるんです。90年代のACID JAZZブームの時にこぞってDJがプレイして脚光を浴びた曲ですが、この曲のアレンジは先ほど紹介した「グレッグ・アダムス」がアレンジしているんです。私の中では、左とん平の「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」と並んで、アンダーグラウンドのジャパニーズ・オールド・ファンクだと思っています。
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」
たまたまタワー・オブ・パワーが来日している時に、かまやつひろしがアレンジと演奏を依頼し、その場で快諾して実現したらしい。なんともかっこいい。今聴いてもシビれます!
あと、RCサクセションの「シングル・マン」という名アルバム。こちらの収録曲もタワー・オブ・パワーの演奏曲が入っています。契約の都合上、クレジットされていないので、どの曲を演ったのかは明らかにされていませんが、アルバム聴けば一聴瞭然!タワー・オブ・パワーらしさが十分伝わっています。
「スローバラード」
他にも、中村あゆみだったり、スガシカオだったり、いろんな日本のアーティストとセッションやコラボをしています。また来日公演も多く、日本でも根強いファンが多いです。そういう意味で親日家と勝手に思い込んでいます。
さて、タワー・オブ・パワーの50年の歴史を簡単に紹介させて下さい。
白人・黒人の混成バンドと書きましたが、結成当初のメンバーの多くはラテン系の白人でした。しかもほとんどが素人で、R&Bが好きだったという理由で集まって日々ライブをしていたようです。その後スライ&ザ・ファミリーストーンが登場し、彼らに影響を受けファンクミュージックに傾倒していきます。その後ライブ・練習・ライブ・練習を重ねるたび技術が向上し、注目される存在になります。そこで音楽関係者の目に留まり、デビューとなる訳です。これを聞くと夢のあるストーリーだと思いますよねぇ。
が、しかし、70年代にデビューし、80年代は不遇の時代を迎えます。メンバーチェンジやディスコブームなどで、レーベルとの契約も失ってしまいます。それでも彼らのホーンセクションを中心にしたサウンドはいろんなミュージシャンの間で圧倒的に支持されていて、80年代に絶頂の人気を誇ったヒューイ・ルイス&ザ・ニュースにバック・ホーンとして迎えられます。これが大きかった!これで再び脚光を浴び、見事復活。タワー・オブ・パワーは人気を不動のモノにしました。
そんな50年のキャリアを誇る彼ら。メンバーチェンジで50人以上のメンバーが加入・脱退を繰り返し、サウンドも微妙に変化してきています。
そこで、タワー・オブ・パワーを聴いたことがない人に私DJ GONが勝手にトップ5を選びました。
第5位「What Is Hip?」
小気味良いリズムのイントロから始まるギターファンクな曲。これを聴くと自然と猫背に体を動かしてしまうのは、ギター弾くマネするからか(苦笑)
第4位【So Very Hard to Go】
彼らのバラードもホントに素晴らしい。歌詞は失恋を悔やむ内容で、それを感じさせる壮大な歌い上げで聴かせる。
第3位【You're Still A Young Man】
ホーンセクションが魅せるバラード曲。彼らが最初に放ったスマッシュ・ヒットになった。グッチ裕三さんがマネしそうなソウルナンバー(笑)
第2位【Only So Much Oil In The Ground】
90年代にブームになったACID JAZZをが絶対的に影響を受けたであろう(想像)ファンクな曲。オルガンソロがとってもカッコ良い。
第1位【Time will tell】
ミュージカルで使用されそうな、ファンタジア溢れるジャジーナンバー。1974年の作品なのだが、この時期にリアルタイムで体感したかったとつくづく思う。
以上ご紹介した5曲すべてが、1枚のアルバムに収録されて発売されています。
『WHAT IS HIP?: THE TOWER OF POWER ANTHOLOGY / タワー・オブ・パワー・アンソロジー!』
そしてそして、タワー・オブ・パワーがまもなく来日します。東京と大阪だけになるのですが、
【大阪】2019年11月20日(水)、21日(木)
【東京】2019年11月23日(土・祝)、24日(日)、25日(月)、26日(火)
場所はビルボードライブ。
もしこれを読んで少しでも興味が出たら、ぜひ生でホーンセクションを体感してもらいたい。
DJ GON
趣味でゆるーくDJをやっております。ジャンルはR&B、ソウル、ファンク、ディスコ、ハウス、あとちょっとEDMも。
最近はDJもデジタル化の波が押し寄せていますが、たまにはレコードのグルーヴもいいものですよ。
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