宮治淳一のコンピ大好き Vol.3

12月27日に発売を予定しているコンピレーションCD『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴー・ゴー・ゴ!』全三枚の選曲には相当こだわった。数多くの資料を基に1960年代後半深夜放送でよく流れていた洋楽曲を100以上候補として選び、丹念にその権利者を洗い出し交渉した。幸い、多くの素晴らしい洋楽曲をカタログにもつソニーミュージック、ユニバーサル、ビクターの各レコード会社から全面的に協力を得た。


 その中で収録が出来て嬉しかったのはソニーミュージックからライセンスを受けられたアンディ・ウィリアムスの「恋はリズムにのせて(Music To Watch Girls By)」。私が小学校六年生の時にラジオから流れてきた素敵なポップ・チューンだ。「ムーン・リヴァー」「カナダの夕陽」「ブルー・ハワイ」といった、ゆったりとした大人向けの曲を多く歌っていたアンディが、四十歳を間近に控えヤング・ジェネレイション向けに奮闘した作品で当時流行りだしたファズギターのイントロがまぶしい。

もともとこの曲はダイエット・ペプシのコマーシャルのバックで流れていたジャジーな曲(演奏者不明)を、まず管楽アンサンブル、ボブ・クルー・ジェネレイションがインスト曲として1966年12月に発売(全米最高15位)、そのヒットにいち早く反応したアンディ・ウィリアムスが歌詞をつけて1967年3月シングル盤にして発売したにしたものだった。残念ながらアンディ盤は最高位37位と振るわず、この競作はボブ・クルーに軍配が上がった。


ところがここ日本ではアンディ盤の圧勝だった。やはり『アンディ・ウィリアムス・ショー』が日本のテレビで放送されていたりしていて、この時点でアンディの日本での人気は結構あったのだと思う。

不思議なことにボブ・クルー盤の邦題が「リズムにのせて」。一方アンディ盤は「恋はリズムにのせて」と「恋」がついていた。やはり日本人は「恋」が好きなようだ。

プロデュースとアレンジがなんとあのニック・デ・カロということが今回の作業中に知った。


だからコンピはやめられない!?



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