シングル物語:ザ・スピナーズ「ラバーバンド・マン」

たとえあなたが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』をまだ観ていなかったとしても、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメンバーが出演していると言ってもネタバレということにはならないだろう。

彼らはトレーラーのみならずポスターにも登場して大々的に宣伝されているし、4月の終わりに封切られたこの映画の筋立てについては、私たちは何ひとつバラしていないのだから。

とはいえ、少なくとも映画の中で起こるひとつのささやかな出来事については説明しておいた方がいいだろう。映画を観に行って「ガーディアンズが最初に現れたときにかかっていた歌はなんだろう」と思う人がいるかもしれないから。

70年代のクラシック・ヒットをフィーチャーしたピーター・クイルのミックス・テープの長い歴史を考えると、その時代のスピナーズの歌を持ってくるのは、ガーディアンズを紹介するには完璧と言えるやり方だ。それに、「ラバーバンド・マン」なんていかにもスーパーヒーローみたいに聞こえる名前だから、この曲が選ばれたんじゃないかとうがってしまう。

歌のプロデューサーであるトム・ベルとリンダ・クリードが作曲した「ラバーバンド・マン」は、実際太り過ぎでクラスメートにからかわれていたベルの息子について書かれた曲だった。曲作りの過程で、おそらく「The Fat Man」は最高の選択とは言いがたいということになり、現在もなおよく知られ、愛されているこのタイトルに変更されたのだった。

「ラバーバンド・マン」はまた、1977年にソロになったフロントマンのフィリップ・ウィンをフィーチャーしたスピナーズによる最後の大ヒットとしても知られている。(補足的小ネタ:ウィンが最初にソロ活動を試みたときのマネージャーだったのは、のちに『愉快なシーバー家』でスターになるアラン・シックだった)。

ウィンの脱退を華々しく飾ったこの歌は、R&Bシングル・チャートの1位まで登りつめ、ビルボード・ホット100の2位となり、イギリスでもトップ20入りを果たした。

じゃあ、次回の『アベンジャーズ』にはラバーバンド・マンも出してもらえるようマーベルに嘆願書でも出してみようか……


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