【フォーエヴァー・ヤング】「トーキング・ヘッズってどんなアーティストだっけ?」を解説!

11月6日にリリースされるフォーエヴァー・ヤング第四弾作品群から本日ご紹介するのは、文化の日にピッタリ、ロックとアートを見事に融合させ、ニューヨークのロック・シーンでも独特の存在感を放つトーキング・ヘッズです!



© Mick Rock Estate


ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの学生だったデイヴィッド・バーン(Vo)がクリス・フランツ(Dr)と共に前身となるバンドを結成し、その後ティナ・ウェイマス(b)が加入してバンド名を「トーキング・ヘッズ」に改名。ロードアイランドからニューヨークに移り住んだ3人は1975年頃から本格的にバンド活動を開始しました。1975年6月に開催されたニューヨークの伝説的ライヴ・ハウスCBGBのサマー・フェスティヴァルで鮮烈なデビューを果たすと各方面から大絶賛を浴び、ラモーンズ、ブロンディと共にCBGBの常連となりました。その後、元モダーン・ラヴァーズのジェリー・ハリスン(Key, G)が加入し、4人編成となります。



1977年に『サイコ・キラー‘77』で衝撃のアルバム・デビュー。翌年の1978年7月には、ブライアン・イーノを共同プロデューサーとして迎えて制作されたセカンド・アルバム『モア・ソングス』をリリース。イーノとはその後、1979年発表『フィア・オブ・ミュージック』、1980年発表の歴史的名盤『リメイン・イン・ライト』と3作に渡ってタッグを組みました。



1981年以降は、サイド・プロジェクトとしてティナ・ウェイマスとクリス・フランツがトム・トム・クラブを結成し「おしゃべり魔女」、「悪魔のラヴ・ソング」などのヒット・シングルが生まれます。同年、デイヴィッド・バーンとジェリー・ハリスンもそれぞれソロ・アルバムを発表。バンドとしては82年に2枚組ライヴ・アルバム『實況録音盤 トーキング・ヘッズ・ライヴ』、83年に『スピーキング・イン・タングス』をリリース、このアルバムのツアーが『ストップ・メイキング・センス』というタイトルでジョナサン・デミ監督によってドキュメンタリー映画化されたのでした。

80年代中盤になるとよりルーツ・ミュージックへの探求とソロ活動へ軸を置くようになったトーキング・ヘッズは、85年に『リトル・クリーチャーズ』、86年『トゥルー・ストーリーズ』、そしてバンドとして最後のアルバムとなった『ネイキッド』をリリース。これ以降バンドの活動が途絶え、1991年に正式に解散となります。2002年にロックの殿堂入りを果たし、授賞式のために再結成をするもこれは一夜限りに終わりました。それから約20年の月日を経て映画『ストップ・メイキング・センス』が40周年記念を迎えた昨年、レストア4K版の映画が公開となり、映画のサウンドトラックも、新たに2曲のボーナス・トラックを収録した『ストップ・メイキング・センス』のデラックス・エディションがリリースされるなど、再び彼らに大きな注目が集まっています。


その革新性と独自性でトーキング・ヘッズがロックをアートの領域へ押し上げた功績は非常に大きく、後世のアーティストたちに今なお多大な影響力を与え続けています。特にデイヴィッド・バーンの表現者としての活動には目を見張るものがあります。彼のパフォーマンスは、自身もアートピースの1つとして表現をするパフォーマンス・アートであり『ストップ・メイキング・センス』や2019年にブロードウェイで披露した舞台『アメリカン・ユートピア』では芸術性の高いステージを披露。そして同作でバーンは、アメリカ演劇界における最も栄誉あるトニー賞を2021年に受賞しました。ちなみに、バンド以外にも、映画音楽の制作、写真、イラストとマルチな才能を発揮するデイヴィッド・バーンですが、87年公開の映画『ラストエンペラー』では坂本龍一らと共にアカデミー賞の作曲賞も受賞しているんですね。




なお、デビュー・アルバムの『サイコ・キラー‘77』は、11月27日に最新リマスター音源(2024リマスター)使用、多数のレア音源を収録した、歴史的名盤を紐解くスーパー・デラックス・エディションのリリースも控えています。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という理念に元づいて制定された文化の日。ぜひトーキング・ヘッズのことをチェックしてみて下さいね!


▼11月6日発売フォーエヴァー・ヤング第四弾リリース作品群

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