【フォーエヴァー・ヤング】第四弾作品群からお勧めALを紹介!トーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』

絶賛発売中の第四弾作品群から、各アーティストのお勧めのアルバムをピックアップ!


 今回は、トーキング・ヘッズの名盤『リメイン・イン・ライト』を紹介します!



1980年、トーキング・ヘッズの4作目のアルバムとして発表された『リメイン・イン・ライト』。2作目『モア・ソングス』以降プロデュースを務めきたブライアン・イーノと組んだ最後の作品でもあります。「ワンス・イン・ア・ライフタイム 」などヘッズを代表する楽曲が生まれ、全米アルバム・チャートでは19位を記録しました。批評家、メディアからの絶賛の嵐を浴び、2020年発表のローリング・ストーン誌による「歴代最高のアルバム500選」では39位に選定された名作です。


トーキング・ヘッズの最高傑作と誉れ高い本作の魅力は、ロックとアフリカン・ビートを融合させた革新的なサウンドです。この傑作が生まれるまでには様々な経緯がありました。当時、デイヴィッド・バーンと残りのメンバー3人の間には不協和音が流れ、バンド間にはただならぬ緊張感が張り詰めていました。また当初アルバムのプロデューサーは、ブライアン・イーノが『モア・ソングズ』で起用したエンジニア、レット・デイヴィス(ジェネシス、ロキシー・ミュージックなど)がエンジニアも兼ねて務める予定でした。しかし、『リメイン・イン・ライト』のレコーディング前にデイヴィッド・バーンと共に彼のソロ・アルバム『My life in the Bush of Ghost 』をレコーディングしていたイーノがふらりと姿を現しました。今回、プロデューサーとして起用されたデイヴィスは、「イーノのエンジニアはやらない」とプロジェクトを抜けたのでした。そして再びイーノとタッグを組むことになったのです。


当時、フェラ・クティ、キング・サニー・アデなどのアフリカのポップ・ミュージックを聴いていたバンドは、『リメイン・イン・ライト』で、従来の音作りとは異なるアプローチを取りました。アフリカン・ミュージックの特徴にある力強いポリリズムやフレーズの反復を採り入れ、フリーフォームなジャム・セッションのような形でレコーディングは進められていきました。1曲目を飾る「ヒート・ゴーズ・オン(ボーン・アンダー・パンチズ)(原題:Born Under Punches (The Heat Goes On)) 」で早速そのインパクト大のアフロ・ファンクに度肝を抜かれるリスナーも多いはず。


📺Born Under Punches (The Heat Goes On)


実験的な手法で進められたレコーディングからチャート入りを果たすようなヒット曲に結びつきそうにありませんでしたが、そのプロセスの中でバンドは「ワンス・イン・ア・ライフタイム (原題: Once in a Lifetime)」へと繋がるサウンドを作り出しました。2020年にドラマーのクリス・フランツが発表した自叙伝『Remain in Love』で当時の様子が次のように語られています。「僕たちはポップ・ミュージックを愛してた、物凄くね。だけど当時は、より深く、そして高みに至るような、世間が僕たちに期待することを超えたサウンドを作り出すことに興味があったんだ」


📺Once in a Lifetime


 こうして完成した『リメイン・イン・ライト』は、トーキング・ヘッズらしいサウンドの持ち味を維持しながらも、アフロ・フューチャリズムの巨匠サン・ラーによってプロデュースされたような未知なるサウンドを世に放ちました。ベースのティナ・ウェイマスは2018年にThe World誌のインタビューでアルバムについて次のようにコメントしています。「聡明で美しいサウンドに仕上がっただけでなく、踊るにももってこいの一枚になったわ」


先日、デビュー・アルバム『サイコ・キラー‘77』スーパー・デラックス・エディションの国内盤がリリースとなり話題を集めているトーキング・ヘッズ。『リメイン・イン・ライト』と聴き比べをしながら、ヘッズのサウンドの進化をぜひ体験してみてくださいね!




▼11月6日発売フォーエヴァー・ヤング第四弾リリース作品群 



 
 


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