ペット・ショップ・ボーイズ【F's GARDEN -Handle With Care- Vol.26】by DJ GON
いろんなところで言われていますが、平成もあと少しですね。
新元号「令和」が5/1に施行されるに伴い、前後が祝日に制定されたのでカレンダー通りだとなんと10連休。せっかくなので海外旅行を予約しようと思ったら、すごい混雑っぷり。しかも高額…。
ここでの旅行は早々にあきらめてしまいました。
-----------------------
海外に行った時に忘れられない思い出がある。20年くらい前の話だが、オーストラリア・シドニーに行った時、現地の人に連れられてMardi Grasというイベントを見たことだ。世界でも類をみない大規模なゲイとレズビアンのパレードがメインのイベントで、世界各国から数十万人が集まる。
パレード終了後は近くのウェアハウスでDJパーティが開催され、これが次の日の昼前くらいまでやっている。狂喜乱舞という言葉がぴったりのこのDJパーティ、当時フロアで盛り上がりをみせていたのは、ペット・ショップ・ボーイズの曲がかかる時だった。
ペット・ショップ・ボーイズは元々個人的に受けつけない音楽だった。特に彼らが脚光を浴びていた時期はブラックミュージックに傾倒し始めていたので、他の音楽をシャットアウトしていて聴こうとも思わなかった。ちょうど90年代に「Go West」が大ヒットしていた頃だ。
Pet Shop Boys - Go West (Official Video)
今でも何かと耳にする機会の多いおなじみの曲。オリジナル「ヴィレッジ・ピープル」の方がソウルテイスト溢れる仕上がりで好みでした。でもオリジナルよりヒットしたので、自分にとっては疑問を感じていました。というより興味がなかったですね、当時は。
この曲より前に80年代に日本で話題になったのがデビュー作「West End Girls」。車のCMにも使われて、「これからのニューウェーブはペット・ショップ・ボーイズだ」みたいな流れもあった。でもサビでの盛り上がりはないし、この曲も流行っていた当時は良さが理解できなかった。
Pet Shop Boys - West End Girls
-----------------------
ゲイとレズビアンのDJパーティで、ペット・ショップ・ボーイズは他にない盛り上がりを見せていた。ボーカルのニール・テナントがゲイであることをカミングアウトしていて同志のような感覚もあったと思う。DJパーティで「ペット・ショップ・ボーイズ最高だろ!」とか「この曲でもっと踊らせて!」って何人もの人が口々に言う。みんなどれだけ好きなんだ?と冷静に思っていましたね。
DJパーティの翌日、連れてくれた人達と改めて会ったので、もう一度ペット・ショップ・ボーイズの良さについて聞いてみた。すると『好きな理由って?そんなのに理由が必要なのか?理由がなかったら聴いちゃダメなのか?お前は偏見で判断して、楽しんで聴いていないんじゃない?』
んーそうかもしれない。
いわゆる”食わず嫌い”と同じで、”聞かず嫌い”ってことなのかな。
何かそこの言葉が引っかかって、帰国後ペット・ショップ・ボーイズを聴いてみた。
改めて聴き返すと、その曲に染み付いた彼らの楽しそうな表情と、ダンスフロアが重なってみえてきた。これが何度も何度も頭を回る。じわりじわりと何かが変わってきた。
曲がその当時の思い出とリンクすることってあると思います。においや味と同じで、それに触れると思い出すこととか。それらの曲を聴くと当時していた仕事とか、恋人・友達とかの顔が出てきたりします。エピソードが絡む曲を久々に聴くと感動して思い出がフラッシュバックする時ってみなさんもないでしょうか。
そんなこともあってか、聴いているうちに楽しそうな表情が蘇り、なぜか好きになっていきました。この瞬間はとても不思議でしたね。あんなに避けていたペット・ショップ・ボーイズがなぜか気になる存在になってしまうなんて。恋愛みたいな感じ(笑)
当時自分はジャンルが好みじゃないと聴かないか、穿った感覚で聴いていたりしていた。若かったし、自分の好きな音楽に変なこだわりがあったのだと思います。今思うとホントつまらないことなんですが。。。
このことがあって以来、音楽を理屈や偏見で聞かない!まずは純粋に楽しんで聞く! ということを意識するようになりました。そのせいか、聴く音楽はすごく増えたし、いろんなジャンルで共感することが多くなった。
そういう意味で、ペット・ショップ・ボーイズを知って、そしてあの時のオーストラリアのゲイ&レズビアンの方々に会えて世界が広がりました。感謝していますね。
ちなみに、Mardi Grasのパレード&DJパーティは現在も続いていて、日本からも観光客が訪れています。ゲイとレズビアンの方がメインではあるのですが、そうでない方もたくさん参加されています。とても平和的で楽しいイベントなので、機会があれば一度参加してみてはいかがでしょうか。
さて、そんなこともあって、だんだん好きになったペット・ショップ・ボーイズ、
最後に特にお気に入りの1曲を紹介させて下さい。
Pet Shop Boys - Love Comes Quickly
全く良さがわからなかった「West End Girls」を踏襲したアンニュイな雰囲気。サビで大きな盛り上がりがあるわけでもないこの曲ですが、自分の中ではカラオケで歌う数曲しかない洋楽曲のひとつになってしまいました。歌えるくらい聴き込んだ曲なのです。
ただ「この曲の良さは?」と聞かれると答えられない。そう、理屈じゃないんです。何もとらわれずに聴いてほしいです。
ペット・ショップ・ボーイズ、先日来日していました。ソロ公演としては実は19年振り。 とても楽しみにしていたのですが、どうしても仕事の都合で行けなくて、泣く泣くチケットを手放してしまいました。
行った人に聞いたところ、64歳のニール・テナントは全く衰えていなくて、ステージは素晴らしかったそうです。これを一生後悔しない為に、またの来日公演を切に願っている。
それまで彼らの曲を聴きながら、オーストラリアの思い出に浸ろうと思う。
今日ご紹介した3曲を含むベスト盤「PopArt: The Hits」
DJ GON
趣味でゆるーくDJをやっております。ジャンルはR&B、ソウル、ファンク、ディスコ、ハウス、あとちょっとEDMも。
最近はDJもデジタル化の波が押し寄せていますが、たまにはレコードのグルーヴもいいものですよ。
0コメント