ウィルコ【F's GARDEN -Handle With Care- Vol.27】by 野中なのか

頑張らなくて良いんだよ。 
〜五月病のアナタにウィルコはそっと寄り添う〜 


ウィルコ『SKY BLUE SKY / スカイ・ブルー・スカイ』 

<F's GARDEN -Handle With Care- 第27回:野中なのか>  


五月病ってホントにあるんですね。 

もー、最近とにかく慌ただしくて、日々来るメールを追っかけるだけで精一杯。 

だいたい誰よ、あの「CC」とか「BCC」とかのメール文化を日本に持ち込んだ人間は。 

アレのおかげで何処に行ってもあんまり関係無いメールが大量に来るの。 

他人の「承知しました」って返答のメールとか。昼も夜も御構い無しで。 

かと思えば、重要な内容をCCメールで送ってくる人も居て、どぉなっちゃってんだよ。 


たまーに休みがあっても、家にコモっちゃうの。「もう何もしたく無い」って。「誰とも話したく無い」って。 

でもね、オレ、そんな時は「ウィルコ」ってバンドを聴いてるの。 

特に2007年に出た『SKY BLUE SKY / スカイ・ブルー・スカイ』っていうアルバム。 

世間的な彼らの代表作とは違うかも知れないけど、このアルバム一番好きなの。 


「SKY BLUE SKY / スカイ・ブルー・スカイ」


ウィルコってバンドは1994年にアメリカのシカゴで結成された「オルタナ・カントリーロック」っていう「前衛的」なんだか「保守的」なんだか良く掴めないジャンルのバンドなんだけど、ルーツミュージックに根ざした圧倒的な音楽的バックボーンと演奏力、そして絶える事の無い実験精神を兼ね合わせた素晴らしいバンドなワケ。


2002年にリリースされた4作目の『Yankee Hotel Foxtrot』が超美メロに狂気的なノイズが乗ってる衝撃的な作風で、世間的にも少し名前が知られるようになって、



2004年に発表した5作目のスタジオ・アルバム『A Ghost is Born』ではグラミー賞まで取っちゃった。


ま、このあたりが一旦のピークだと思うのですが、オススメする『SKY BLUE SKY』は「ま、ここで一休みしようぜ」っていう感じのグッとソングライティング寄りに向かったシンプルで美しい2007年のアルバムです


ワタシ、一曲目の「Either Way」から「あ、これは長く付き合えるアルバムだな」と感じちゃいました。 「感じちゃった」って表現がピッタリな程、スッーと心に入ってくるアルバムです。 


時に「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」期のニール・ヤング翁や「ラム」期のマッカートニー男爵、最強期のサイモン&ガーファンクル兄弟などの面影が顔を覗かせつつも、全体的には現代的な音のアプローチとなっていて素晴らしい!

そしてボーカルのジェフ・トゥイーディーの心情に寄り添うような緻密なアレンジ!

(ま、そんな事まで考えなくても普通に自然に最高なんですけどね。。)


WILCO - SKY BLUE SKY


ウィルコというバンドは「やたら気合の入ったサウンドアプローチ」と「肩の力を抜いたリラクシンモード」の二重人格のような性格を持っているのですが、このアルバムは後者の「頑張らなくて良いんだよ」という表情をしています。 

五月病のワタシにはそれがとても安心するのです。 

元号改正をまたぐ未曾有の10連休となる今年のゴールデンウィークのお供に是非オススメの一枚です。



野中 なのか 

 コンサート業界勤務です。 

誰か友達になってください。 

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