悲しいお知らせ: THE MUFFSのキム・シャタックがALS (筋萎縮性側索硬化症)との闘病の末に亡くなりました。

90年代のパンク/オルタナティブを代表するガレージ・パンク・バンド、THE MUFFS(ザ・マフス)。その中心にいた、パンク界のゴッド姐さんことキム・シャタックが先日亡くなったとの訃報が入ってきました。享年56歳。約5年振りとなる新作アルバム『NO HOLIDAY』の発売を間近に控えていただけに残念なニュースです。


1993年にアルバム『THE MUFFS』でデビューを果たしたTHE MUFFSは、その後も良質なポップ・パンク・アルバムを発表し続け、90年代のパンク/オルタナティヴ・シーンを代表する存在として知られるようになりました。以前はTHE PANDRASというバンドで活動をしていた、パンク界のゴッド姐さんとも称されるキム・シャタック率いる、このLA出身のバンドは、これまで6枚のアルバムを発表し、キムのハスキーな歌声から繰り出される甘酸っぱいメロディ・ラインとストレートなパンク・サウンドでシーンにTHE MUFFSあり、と謳われるように。


1990年代の終焉とともに、一旦活動を休止していた彼らでしたが、2004年に再集結し、アルバム『REALLY REALLY HAPPY』をリリース。しかしその後再び沈黙。その間、フロントを務めるキム・シャタックがピクシーズのツアーに一時参加するなど、思わぬ話題を集めることもありましたが、2014年に約10年振りとなるニュー・アルバム『WHOOP DEE DOO』を発表し、ここ日本でも来日公演を行いました。


最近は初期3作品のリイシューを行っていたTHE MUFFS。この頃からキムはALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘病していたそうですが、アルバムの制作にも取り掛かっていました。1991年から2017年に亘って書き溜めてきた楽曲を集めた最新アルバム『NO HOLIDAY』について、キムはこうコメントしています。「(ここに収録された曲は)1991年から2017年の間に作ったもの。長めのアルバムにしようと考えていたから、私が溜めていた楽曲の中から、これまでのアルバムには一貫性を持たせるために収録されなかったものを使うことにした。どれもグレイトな曲だったから、無駄にしたくなかったしね!」


またアルバムの出来についてベースのロニー・バーネットはこう語っている。「このニュー・アルバムは、他のバンドにはない、俺たちの深さを描いたアルバムだと思う。”ザ・マフスの色々なムード”って呼んでもいいぐらいだよ。メロディに大きなロック・サウンド、甘さ、ダーティーさ・・・俺たちの強みが、全部くまなくはっきりと表れている。俺たち3人は長い時間一緒にすごし、一つのファミリーになったのさ。互いに対する愛情も表現されている。俺たちはこのアルバムに全部ぶちまけたのさ」


数多くのアーティストに大きな影響を与えた、キム・シャタック。『NO HOLIDAY』のトレイラーでもとびっきりの笑顔を見せてくれていました。

心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

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